◎保険だより
#1 卵巣癌に対するアバスチンに始まり、近年、婦人科癌治療に多くの分子標的治療薬が適応となり使用されています。血管新生阻害薬、PARP 阻害薬、免疫チェックポイント阻害薬、キナーゼ阻害薬など、その数とレジメンは今後益々増えてきます。一般の抗癌剤と異なり、分子標的薬の適応にはバイオマーカーの測定やプラチナ感受性、その奏功など厳密な規定があります。各々の適応症は当該の臨床試験に沿って承認されたものであり、残念ながらその全てを薬剤添付文書に記載するのは不可能です。添付文書の適応症の一行目のみを参照するのではなく、以下の注
釈を熟読し、適応症例の決定は当該する臨床試験内容を熟知した上で行う必要があります。この点は高額な薬剤を有効と考えられる症例に使用する為に極めて重要です。これらの分子標的薬を初回使用する際には、その症例が当該薬剤の適応である旨(進行期、初発/再発、バイオマーカー、1st/2nd ライン、プラチナ感受性、プラチ
ナ含有レジメン奏功など)の症状詳記を必ず記載して、レセプトに添付いただきますようお願いいたします。
#2 手術の準用点数算定について
施術内容に合致する手術名がない場合、類似内容手術の準用点数で算定願います。
病名と術式の整合性より準用算定であることがレセプト上判ることが必要ですので、その旨を記載願います。
例1:外陰部尖圭コンジローム切除術は膣壁尖圭コンジローム切除術点数を準用
例2:膣断端肉芽腫切除術は膣ポリープ切除術点数を準用
例3:子宮膣部腫瘍摘出術は子宮頸部切除術点数を準用
例4:出血等の異常があって子宮内リングを抜去する場合は子宮内膜掻把術点数を
準用
例5:埋没等の異常があってペッサリーリングを抜去する場合、外来では膣ポリープ切除術点数を準用、入院して麻酔下で行う場合は膣壁形成術点数を準用